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Shoji. 【南インド6】 旅人たちの波
オートリキシャーに乗り込み、サーフボードを膝に抱え、
エリオットが導いてくれたサーフポイントへ。
途中、スタンドにより燃料補給。
スタンドに遊びに来ていた子供たちが、
不思議そうにサーフボードを見つめていた。
辿り着いたのは漁を生業とした小さな港。
ビーチには何隻もの小船があり、
沖では追込み漁が活気付いていた。
ビーチ前には、
椰子の葉つくられたゲストハウスが数軒並んでいる。
ここでエリオットは数日を過ごしていたらしい。
波は腰程度、面もきれい。まったりと楽しんで乗れそうだ。
正面か左サイドの岩が積んである場所が良さそう。
砂浜にある船と船の間に垣間見れる波。
その波にサーファーが1人。
自分のリズムで波乗りを楽しんでいた。
彼は僕たちと入れ替わるように海からあがってきた。
自分の手を肩の高さで水平に振りながら、
「待てばセットで肩、Good!でもたまにしかこないよ」
と、波の感触を教えてくれた。
オーストラリアから来たという彼の目は、
とてもフワフワ。僕を見ているようで見ていない。
インドではこのタイプの人によく会う。
彼はそのままゲストハウスの中へ消えていった。
僕たちはリキシャドライバーに、
2時間後に迎えに来てくれと伝え、海に飛び込んだ。
どんなコンディションでも初めてのポイントは気分がいい。
僕たちはインド東岸部の波に、
脱力感全快でゆられていた。
2時間はあっという間。
ビーチに戻ると、すでにリキシャドライバーが待っていた。
その周りには地元の子供たちがはしゃいでいる。
その子どもたちの中に、
金髪の青年が1人、バイクにまたがっていた。
青年と僕たちは思わず大声をあげてしまった!
なんと彼は僕がインドに来た日、
コヴァラムビーチで出会ったフランス人サーファーだったからだ。
たまたま出会ったエリオットが導き、
この広大なインドで何の約束もなく、
コヴァラムから車で13時間離れたこの街の、
こんなにも小さなビーチで再会するとは、
本当に夢にも思わなかった。
待ちくたびれたリキシャドライバーを横目に、
僕たち3人は再会を喜びあった。
そうこう話をすすめるうちに、またまたびっくり。
「今日はこれからどこに行くんだ?」との彼の問いに、
「僕たちはオーロヴィルに行ってみようと思う、
近くにあるらしいんだけど、知ってる?」
「えっ、そうなのか!僕はオーロヴィルに住んでいるんだ」
「ぜひ遊びに来てくれ、歓迎するよ!」
オーロヴィル(Auroville)の様子はこちらからどうぞ。
Chihiroのヨガ旅【南インド】Vol.14 オーロヴィルで自由を知る
旅は不思議だ。
僕たちは、
偶然と必然のいたずらに導かれる。
次々と押し寄せるこの偶然の連鎖は、
きれいなセットで打ち寄せる波のようだ。
ここは旅人たちのビーチ。
目の前の海では、
今日一番の、きれいな波がブレイクしていた。