Eriko 本全体を通して、ヨガは気持ちがいい、すっきりすると言われる理由が、初心者にも経験者にも、分かりやすく書かれていると感じました。
Chihiro
ヨガをしている人でも、気に留めないで流していることって、意外にあると思うんです。
ヨガってなんでリラックスできるんだろう、スポーツとは何が違うんだろう。
他にも、クラスの始めに手を合わせる合掌や、マントラって一体、何だろう、など。
そういうちょっとしたことを、あらためて自分の中でかみ砕いて、ふに落として。
よりヨガが深まるきっかけになるとうれしいですね。
Eriko 私も以前、なぜクラスで涙が出るんだろうと思っていました。
Chihiro
今はポーズが主流なので、クラスをこなし、ただ体験するだけになってしまいがちです。
ヨガについて深く知ることが少ないと、
なぜ涙が出るのかは分からないけれど、すっきりしたからと、そのままにしてしまう。
気持ちが落ち着いたのに、その理由を掘り下げないことも多い。
でも一つ一つ振り返り、ヨガで起こる変化や恩恵は、どういう仕組みでできているのか。
そうしたことに触れてもらう、一つの指針になればいいなと思います。
Eriko 知ることで、何が変わるのでしょうか。
Chihiro
やはり、感じた変化や恩恵が、より自分の中で深まります。
そして何よりも、ヨガを好きになってもらえると思うんです。
たまたまスタジオに通って、
身体を動かして、リラックスできて、
やせられたからラッキーではなく、
ヨガには実は、昔の人たちが伝えてきた知恵や体験が詰まっている。
そこをちゃんと伝えられるといいなと思います。
今までヨガを伝えてきた人たちのためにも、
これからヨガをする人たちのためにも、必要なことです。
Eriko 本場インドでは、ヨガの先生の多くが男性と書かれていましたね。
Chihiro
ヨガがポーズだけだと思われているうちは、男性はスタジオに来づらいと思います。
女性が多い中では、抵抗があって当然です。
本には、日常生活で取り入れられるヨガの教えも載っているので、
そんな入り口があってもいいなと思います。
Eriko 一冊の本にまとめたことで、新たに生まれたヨガへの思いはありますか。
Chihiro
はい。はっきりと明確になることがありました。
ヨガを伝えることが仕事なので、大事に守りたい気持ちがあります。
そうすると、どこかで「こうあるべきだ」という考えが生まれてきてしまう。
でも、いろいろなものをそぎ落として言葉にしていく作業の中で、
伝承や守られていくべきことと、私があるべきだと思うことの区別がついた気がします。
Eriko スタジオやちひろ先生自身を、より多くの人に知ってもらえる機会にもなりますね。
Chihiro
それはうれしいことです。
ただクラスの中でもそうですが、私のことは忘れていい、ヨガだけ残ればそれでいいんです。
だからこの本も、読んでヨガが残れば、という思いは変わらない。
より広くヨガを知ってもらうことでは、良いと思います。
私の体験を通じて書いているところもありますが、私の手記ではない。
体験の「その先にあるもの」をお伝えしているだけなんです。
Eriko 本からはちひろ先生の人となりも感じられ、会員さんやTT生にも喜ばれるのではと思います。
Chihiro
そういう身近な方たちに喜んでもらえないと、本当じゃないなと思います。
皆さんとの関わりがあってこその、本なので。
Eriko 今後も本で伝えたいことはありますか。
Chihiro
今回は、ヨガが初めてでも、ヨガをしている人にも読んでいただける、総まとめの内容です。
ただ、呼吸法や瞑想だけでも、一冊では収まりきらないほどの話がある。
読みたいと言う声があれば、
ヨガの中で何か一つを深めて書くことも、やってみたいと思います。
女性にとってのヨガの魅力や必要性をまとめても、
感じることがたくさんありそうです。