Eriko インストラクターとしても、読んであらためて学びが多かったです。
Chihiro
言葉で「ヨガとは何か」を伝えることは、インストラクターにとって、必要な仕事だと思います。
アジャスト(ポーズの調整)の仕方など技術だけではなく、本来は、それが求められている。
自分のところに来たヨガを、また新たに伝えていく役割があります。
この本が参考になり、仕事の一助になれば、うれしいですね。
Eriko 私は、クラスを担当している瞑想について、特に勉強になりました。
Chihiro
瞑想はただじっと座っているだけですが、途中で忘れていた記憶や感情がよみがえったり、白昼夢のようなものを見たりすることがあります。
身体よりも心は目に見えず、漠(ばく)としているので、人に言えず、
不思議な体験だと思い込むかもしれません。
でも、よく起こる現象なんですね。
ポーズの練習で、筋肉痛や、肩などが緊張するのと同じ。
対処法もあるので、事前に知ると安心して瞑想の練習ができて、深められるようになると思います。
Eriko 朝、日の出の96分前が、瞑想に最適の時間というのも驚きました。
Chihiro
アーユルヴェーダ(インドの生命科学)では、
ヨガに適している神聖な時間だと言われています。
日が昇れば空気や風が動き、人も気持ちが揺れて、行動を始めます。
音はどんどん生まれてくる。
でも、この時間は、すべてのものがぴたっと止まる、一日の中で静寂に包まれた時間です。
始まりの前の静けさというか。
だからこそ、誰もが寝ているのだと思いますが、
たまたま目が覚めて寝付けないときは思い切って起きてみる。
静寂を体験することが、もしかしたら睡眠よりも、体や心が休まるかもしれません。
Eriko 本ではこうした知識を伝えやすいですね。
Chihiro
そうですね。
クラス前にお話することもありますが、スタジオはどうしても体験の場になります。
本ではヨガを知り、学び、深められると思います。
Eriko ヨガの本質を伝える大切さについて、あらためてお聞かせ下さい。
Chihiro
例えば、やせたくてヨガを始めたら、やせた時点で終わってしまう。
それはヨガの恩恵にすぎません。
ヨガの本質は、心の動きを止めることで、「真我」に出会うこと。
この「真我」は、体験や直感を通じた理解からでしか、根本的には分からないのです。
Eriko ヨガを続けていたり、TTCでさらに学ぼうとしたりする人は、恩恵だけではない何かを、感じとっているんですね。
Chihiro そうだと思います。体験や直感を通じた理解から、ヨガを解釈しはじめているのでしょう。
Eriko 私自身も、ヨガを知って生きているのが楽になりました。ヨガの仲間も同じことを言いますが、なぜ幸福感を味わえるのでしょうか。
Chihiro それが体験であり、体感だと思います。
Eriko 本を読んで、本当にヨガに出会えて良かった、幸せだと思いました。
Chihiro
そう言ってもらえるのは、本の著者としても、TTCの先生としても、とてもうれしいことです。
「出会えたこと」だけではなく、「出会えたことが幸せ」と言ってもらい、むしろ私が幸せです。
<おわり>