Shoji. 【南インド2】  インド再び!

By Shoji
南インド再び!

成田からシンガポール・チャンギ[Changi]を経由し、
ティルヴァナンタプラム[Thiruvananthapuram]
(トリヴァンドラム[Trivandrum])を目指す。
シンガポールまでは6時間のフライト。
乗り継ぎのためチャンギ空港で2時間ほど時間をつぶし、
インドに着くのはさらに数時間後。
この長い道のりを楽しませてくれたのが、
中谷美紀さんの『インド旅行記2 南インド編』
たまプラーザヨガスタジオのインストラクターが、
旅の友にと持たせてくれた本だった。

インド旅行記〈2〉南インド編 (幻冬舎文庫)
インド旅行記〈2〉南インド編 (幻冬舎文庫)
中谷 美紀

そもそも旅立ちからしてインドだった。
飛行機に乗込み、僕はすぐにこの本を手に取ったが、
やられた!
なんと旅行記の書き出しが『9月30日 インド再び!』
以降、10月1日、2日・・・と続いていく。
僕の旅と日程が重なっている・・・。
そして、自然と笑みがこぼれる。
「インドへの旅は、インドに呼び寄せられたときにするもの」
こんな言葉を口にする人が多いが、
勝手ながら、今回はこの言葉を拝借しよう。

僕はわくわくドキドキ胸躍らせながら、
この本を1ページずつ丁寧に読みすすめていた。
日常を置き去りにして。

トリヴァンドラム空港にたどり着いたときには、
本はとっくに読み終え、
あたまの中はどっぷりとインドに浸かっていた。

そして、僕を迎えてくれたのは、
1ヶ月ほど前からインド入りしている妻とセカンドモンスーン。
どちらが嵐か・・・についてはここでは述べないでおこう。

豪雨にも負けない車のクラクション、
雨のせいで独特の埃っぽい空気は流れ落ちているが、
どこもかしこも人間の息づかい。
そこはもはやインドそのものだった。

『インド再び!』

タクシーを拾い、サーフボードを強引に車へ積み込む。
積み込みの際に車内の芳香剤を倒してしまった。
そのせいで、日本の女の子が大好き!というタクシーおじさんは、
女の子の話以外はずっと不機嫌だった。

空港から南へ数十キロ。
目の前が海のホテルに到着。

荷をおろし、一息つく。潮の香りが心地よい。
波の音が身体に沁みる。
疲れが吹っ飛んでしまうのはなぜだろう。
地球の音が身体を突き動かす。
すぐさま、海パン&ラッシュに着替え、フィンをセット、
ワックスをぬりながら、はやるココロを落ち着かせる。
自分の呼吸を感じ、いざビーチへ。
だが、ここはインド。
5歩すすむごとに人だかり・・・。
早口の英語で「インドの太鼓はいい音 安いよ」
「この布 素敵 プレゼントにしなよ」
英語と日本語を並べて、
「Hi!こんにちは こんにちは Thank you ありがとう」
・・・・ビーチが遠いな。

本来は綺麗なビーチだが、モンスーンの影響で灰色の海。
サーファーは見当たらないが、
昨日まで、キッズが数名波乗りをしていたらしい。
海に入ると見た目と違い、オーバーヘッド。
ダンパーでぶ厚いパワフルな波。
カレントが強く、海がグルグルまわっていた。
まるででっかい洗濯機の中だ。
ドルフィンで波をやりすごしても、
どんどん湾の中心に吸い込まれてしまう。
アウトに出ても定位置をキープするなんて考えちゃいけない。
常にパドルあるのみ。海水は決して美味しくない。
いや、口にしてはいけない。お腹がやばい。
そう、ここはインド、聖なる海岸線。
僕はこの洗礼を真摯に受けとめよう。

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